AIを使わない社員に、操作研修を足す前に聞くこと

人とAIの関係を考える概念画(AI生成) AIと人間・人との協働

AIツールを配ったのに利用が進まない。そこで操作研修を追加する前に、「何が使いにくいのか」を分けて聞いてみませんか。操作が分からない、使う業務がない、許可される範囲が分からない、結果を確かめる時間がない。同じ未利用でも、必要な支援は異なります。

利用率からは、使わない理由は分からない

AI Trust Scoreの従業員とAIへの信頼を扱う解説は、評価への不安や利用条件の不透明さに目を向けています。ただし、自社の社員も同じ不安を抱えているとは限りません。理由を決めつけずに聞くことが出発点です。

以下はNewSpaceの編集上の聞き取り案です。心理状態を診断したり、個人の能力を採点したりするための質問ではありません。組織側のルール、教材、支援の不足を見つけることを目的にします。

人とAIの仕事を考えるAI生成の概念イメージ
AI生成の概念イメージ。実在企業の事例や調査結果を示すものではありません。

「なぜ使わないか」を四つの問いへ分ける

  1. 今の仕事に、AIを使ってみたい作業はありますか。
  2. その作業で、使ってよい情報とツールは分かりますか。
  3. 結果を確認する資料や相談先はありますか。
  4. 使う場合・使わない場合の評価や責任について、分からないことはありますか。

選択肢には「今は必要な作業がない」「判断できない」も用意します。全員が同じ頻度で使うことを望ましい状態とすると、使う必要のない業務まで無理に対象へ加えてしまいます。利用回数を増やすことと、仕事を良くすることを分けて考えます。

架空例:同じ未利用に、二つの事情

説明のため、二人の担当者がAIを使っていない架空例を考えます。一人は操作を知っているものの、扱う顧客情報を入力してよいか判断できません。もう一人は、業務に合う使い方の例がなく、試す機会がありませんでした。

前者には、情報の扱いについて確認できる経路が必要です。後者には、機密情報を含まない題材と、自分の業務に近い演習が役立つかもしれません。二人に同じ操作説明を繰り返しても、問題に対応したことにはなりません。これは架空の比較であり、研修効果を実証するものではありません。

評価の不安には、評価の説明で応える

「AIを使うと手抜きと思われるのでは」「使わないと低く評価されるのでは」という疑問が出たら、操作を教えるだけでは答えになりません。会社が何を評価するのか、確認の責任を誰が担うのかを、管理職側が説明する必要があります。答えが決まっていなければ、未決定として持ち帰ります。

一方、社員の声を聞くだけで不安が解消するとも限りません。説明した内容が仕事の割当や承認手順と一致しているか、後日確認します。「使ってよい」と言われたのに承認が得られないなら、制度と運用の間に別の問題があります。

集める声の範囲を、先に伝える

聞き取りの目的、誰が閲覧するか、集計単位、回答の扱いを事前に示します。匿名回答でも、少人数の部署や固有の業務の記述から本人が推測される場合があります。生の自由記述をそのまま配布せず、必要に応じて集約や要約を行います。

「使わない人の一覧」を人事評価へ流用するのではなく、「許可条件の説明が必要な業務」「教材が不足する職種」の一覧へまとめる方法が考えられます。個人の苦手意識と、会社が提供すべき環境を混同しないためです。

支援を一つ変え、その後を確かめる

最初から全社研修を増やさず、明らかになった課題を一つ選びます。入力条件の説明を直す、相談先を決める、職種別の例を作る。その後、同じ業務で判断しやすくなったか、確認負担がどう変わったかを聞きます。利用しなかったという回答も、次の設計の材料です。

活用の広がりだけでなく、人の支援環境と運用条件を併せて整理するには、AI Trust Scoreの診断の考え方も参照できます。社員を順位付けするためではなく、組織がどの条件を整えるべきかを話し合う材料として検討したいものです。

参考・編集について

AI Trust Scoreの関連ブログを参考にしています。実務解説として参照し、点検案と架空例はNewSpaceによる編集上の提案です。確認日:2026年10月19日。

NewSpace.funとAI Trust Scoreは、ともにUniqueness AIの活動に関わるメディア・サービスです。掲載者と紹介先の関係を明示しています。アイキャッチもAI生成の概念イメージです。